2018年の大阪北部地震と、大阪を直撃した台風21号で被害を受けたわが家。
特に台風21号では、丸1日以上(約30時間)の長時間にわたる停電を経験しました。
このような長時間の停電の経験は初めてで、「停電ってこんなにつらいものなんだ…」と、想像ではわからなかったことがいろいろありました。
- 停電時に感じる精神的なストレス
- 停電時役立ったもの、役立たないもの
- 停電時の乗り切り方
など、実体験を通して感じたこと・学んだことをお伝えしたいと思います。
災害への備えの一つとして参考にしていただければと思います。
直接的な被害はなくても停電は想像以上につらい
台風21号ではわが家の屋根の一部分が破損しただけで、建物自体にも家族にも大きな被害はなく良かったのですが、一番つらかったのが意外にも停電。
台風21号が大阪に最接近した午後3時ごろ停電が発生したのですが、停電直後は子供たちと「わ~停電になった~」なんてのんきに騒いでいた私。
すぐに復旧するだろうと思っていました。
ところが、1時間たっても2時間たっても復旧する気配はなし。
そうこうしているうちに日も暮れてきて、だんだん暗くなってくるとともに不安が増してきます。
もしかして今日中には復旧しないの?
エアコンも扇風機も使えず蒸し暑さMAXの中、特に幼稚園年長の次男は怖がって、私の横を離れなくなっていました。
停電でつらいこと
- いつになれば復旧するのかがわからない
- 日が暮れるとすることがなくなる
- 神経が高ぶっているので眠ることもできない
- 扇風機すら使えない過酷な暑さ
- スマホの充電が命
近所で車の音がするだけで、電力会社の車が復旧作業に来てくれたのかと期待してしまうほど神経が過敏になっていました。
停電が長引くときどうする?冷蔵庫は?お風呂は?
約30時間というまあまあ長い停電を経験しましたが、夏場ということもありまず心配したことは冷蔵庫の中身。
停電になった瞬間から冷蔵庫はただの保冷ボックスと化し、庫内の温度は徐々に上がっていきます。
「生もの何入ってたっけ…?」
「あの牛乳賞味期限近いのに…」
気になります。
とっても気になりますが、、、
一度でも開けてしまうと、開けた瞬間から庫内の温度が一気に上がるので食べ物が傷みやすくなります。
停電後1度も冷蔵庫の扉を開けなければ、1日~2日程度なら食材は無事な可能性が高いです。(自己責任でお願いします…アイスなどはとけてしまいますが)
もしくは逆に、庫内に入っている食材を使い切る覚悟で開けるか…
冷蔵庫は一切開けないか、食材を使い切る覚悟で開けるかどちらかがおすすめです。
そして、お風呂。
ただ停電しているだけで家族も家も無事なら、お風呂にも入ってリラックスしたいと思うもの。
しかも、お風呂も真っ暗
夏場とはいえ、冷水でのシャワーは冷たすぎます。
お湯を用意するにあたって、わが家では大きなヤカンいっぱいに沸かしたお湯を水で割って湯船にためました。
ただ、湯船に満タンのお湯を作ろうとするとかなり大変なので、かけ湯ができる程度の量が溜められれば十分。
たくさんのお湯が作れないなら、お湯に浸けたタオルを絞って体を拭くだけでもさっぱりしますよ。
いつ復旧するかわからない不安がイライラに変わる
停電直後は、停電の復旧状況などの情報収集するために電力会社のホームページなども確認しましたが情報が更新されておらず、仕方なくインターネットで地域の掲示板などを見ていたのですが、
- 早く復旧してほしい
- いつになったら停電は復旧するの?
というような書き込みが多かったように記憶しています。
が、時間が経つごとに復旧していく地域も徐々に増え、ラジオのニュースでも停電についての情報がどんどんなくなっていきました。
家の窓から外を見ると近所の家も復旧しているようで、数軒隣の家でも電気がつき始めていました。
でも、わが家はまだ停電したまま。
この時、私はものすごく「取り残された感」がありました。
ただでさえ不安で疲れがたまってきている状態なのに、さらに「取り残された感」が襲ってくるんです。
「○○地区の復旧見込みは〇日の〇時予定」など、先が見える情報が何かあれば違ったのでしょうけれど、電力会社のホームページを見ても相変わらず更新がなく、情報がない状態で待つということは想像以上につらいものがありました。
6月の蒸し暑い季節、外は暴風雨で窓も開けられない、停電のためエアコンも扇風機もつけられない。
「ああ、わが家はこのまま一生停電したままなのかも…」とすら考えてしまうほどで…、実際はそんなわけないんですが、そんな精神状態におちいってしまうような状況でした。
停電発生から丸1日が経過し、再びインターネットで地域の掲示板を見てみると、
- 関西電力いい加減にしろ
- 隣の家は復旧してるのになんでわが家だけ~!?
など、おそらく私と同じような状況の人たちの書き込みが…。
「取り残された」ことにより不安が限界に達してしまった人たちが、冷静さを失ってイライラし始めているのがわかりました。
もし周辺の地域が復旧してきているのであれば、外出したりして自宅で過ごす時間を短くするというのもストレスを軽減できておすすめです。
備えていたけど停電時なくても良かったと感じたものはラジオ
災害時の備えとして、ラジオは必須だと考えている人も多いと思います。
わが家もラジオと電池は用意していたので、停電になり、「今こそラジオを使う時だ!」とラジオをつけたのですが、思いもよらない事態が。
なんとほぼ平常通りの番組が流れていたんです…。
停電の復旧状況は?
番組の合間にあるニュースでは台風の大まかな被害については伝えていましたが、特に必要としている細やかな情報が得られることはありませんでした…。
これは、停電の範囲が超大規模というほどではなかったからなのかもしれませんね。
おそらく東日本大震災クラスの大災害であれば、ラジオでも一日中特別報道番組をする可能性が高いですが、局地的な災害の場合、ラジオはあまり役に立たないと考えておいた方がいいかも。(ラジオで流れる音楽を聴いてリラックスするなどの使い方なら有効かもしれませんが。)
ただ、水没や破損などでスマホを失ってしまう場合もあり得るので、念のためラジオも用意しておくに越したことはないですが、個人的には優先順位としては低めかなと感じました。
停電時絶対に備えておいた方がいいものはモバイルバッテリー
逆に、絶対に準備しておくべきものは、携帯電話・スマホのモバイルバッテリー。
スマホがここまで普及する前は、情報源としてラジオが必須アイテムだったのかもしれませんが、時代は変わりました。
災害用アプリ・SNS・地域の防災アラート、、、緊急時に必要な情報と連絡手段が詰まっていますよね。
でも充電がなくなるとただの板…。
実際、私が停電を経験した時も、50%、40%…と減っていく電池残量と情報収集との葛藤で、スマホを見る回数も極力減らさざるを得ませんでした。
当時、私はモバイルバッテリーや車での充電ツールを持っておらず、つらい思いをしたので、停電復旧後まっ先に買った物はモバイルバッテリー。
ソーラーチャージャーなども電源がなくても充電できるのでおすすめです。
よく言われる家庭用発電機は、普段キャンプなどをする家庭でもない限り、用意するのはなかなかハードルが高いかなと思いますが、あればベストだと思います。
懐中電灯はできるだけ明るいLEDを家族の人数分用意
モバイルバッテリーと同じくらい必要だと感じたものは家族の人数分のLEDライト。
しかもできるだけ明るいものがおすすめ。
わが家でも一応懐中電灯は用意していたんです。
でも実際に停電になり日が暮れると予想以上の暗さで、懐中電灯が1個あったところで「ないよりマシ」程度の明るさ。
懐中電灯に白いレジ袋をかぶせると光が拡散してランタン代わりになる…というのも試しましたが、元の懐中電灯の光源がそこそこ強くないと大して明るくなりませんでした。
しかもわが家は4人家族なので、例えばトイレに行くために誰か1人が懐中電灯を持って行くと残りの3人は真っ暗なまま待たなくてはならないんです…。
「災害時だし少し不便なのは仕方ないのでは?」以前の私ならそう考えていたかもしれませんが、
なので、家族の人数分のライトは最低限備えておこうと思いました。
すべてが光量の強いものである必要はありませんが、最低でも一つはしっかり明るいライトを用意しておくのがおすすめです。
停電の備えと過ごし方・対策まとめ
- 冷蔵庫は一度開けてしまうと食材が傷みやすくなる
- 懐中電灯は家族の人数分用意しておく
- ラジオよりもモバイルバッテリーや家庭用発電機が役立つ
- オール電化の場合は携帯用コンロを用意しておく
- 自分の地域だけ復旧が遅いと取り残された気分になり、気分が不安定になる
今回はあくまで、自宅や家族に大きな被害がなく停電しているだけ、という私が体験した状況を前提に書きました。
まだ停電だけで済んだと思えば不幸中の幸いだったと思いますが、その停電ですら季節や状況によってはつらいものとなってしまうということを身をもって体験しました。
ただ備えるだけでなく、実際にはどのようなことを感じてどのような精神状態になるのか、ということを少しでも知ってもらえたらと思います。
以上、台風21号の停電体験談「停電時の備えと過ごし方について」でした!